髙橋健太郎 写真集『A RED HAT』特別先行予約のご案内【〜5/6まで!】

「生活図画事件」と写真集『A RED HAT』について :髙橋健太郎

2017年6月から北海道旭川市在住の菱谷良一さん(現在98歳)、そして北海道音更町在住の松本五郎さん(現在99歳)のところへと通い、彼らの日々の生活にレンズを向けている。その日常はとても穏やかで、本を読んだり映画を観たり、絵を描いては友人たちと談笑したりひ孫さんたちと遊んだり。そんな彼らは2人とも学生時代に同じ学校で美術部に所属しながら教師を目指していた。

それがある日突然、刑務所に入れられる。
1941年9月20日早朝、旭川師範学校美術部の学生であった菱谷良一(当時19歳)と松本五郎(当時20歳)は学生寮で起床寸前のところを特別高等警察に治安維持法違反容疑で逮捕される。当時の美術部では熊田満佐吾先生(東京美術学校卒、現東京藝大)の指導のもと、より良い生き方を模索するため教科書通りに絵を描くのでなく、生活や社会の実態をよく観察しそれを絵にする美術教育が行われていた。しかしそれらの絵は突然、反国家的であり共産主義的だとして犯罪の証拠とされる。2人は何か強い思想を持って描いていたわけではない。結局1942年12月26日まで旭川刑務所に入れられる。そしてこれが「生活図画事件」と呼ばれている。

出所後の1943年2月11日、菱谷良一さんは妹さんの赤い帽子を被り、自画像を描いた。

80年近くを経て、もはや写真では捉えられない出来事を、それを体験した人たちの現在の姿をとおして写しとろうと試みている。困難で切実なその試みは、時間の流れにあらがえない私たちに、だからこそ忘れてはいけないものがあるのではないかと問いかける。
太田 愛(小説家・脚本家)(『A RED HAT』に寄せて」より)

彼らの今の平穏な生活を撮ることの意味を考えることは逆に、一世紀近く生きてこられた彼らの人生の中であの時経験せざるを得なかった生活図画事件を異質な出来事として私に突きつけてくる。
髙橋健太郎(あとがきより)

髙橋健太郎 『A RED HAT』

アートディレクション
Alex Sonderdgger,
Susanna Baer
( so+ba )

発行
赤々舎
サイズ
B5判
ページ数
200 pages

上製本

現在、赤々舎のサイトより特別先行予約を受け付けております。

* お支払い方法は、銀行振込、郵便振替、クレジットカード支払い、PayPal よりお選び頂けます。

こちらの商品は6/1(月)以降のお届け予定です。

5/6(水)までにご予約頂いた方のお名前を、巻末の謝辞に記載させて頂きます(ご希望の方のみ)。